【集客戦略】Wi-Fiスポット導入の効果は

Q 「Wi-Fi使えます」というステッカーを街なかでよく見かけます。設置するさいの手続き、メリットなどを教えてください。(理容店)

<回答者>「All About」ガイド 岡田庄司 

A 「Wi-Fiスポット」とは、インターネット接続を無線LANで提供する限られた場所のことで、スマートフォンやタブレット、無線LAN内蔵のノートパソコンでインターネットを利用できます。「フリースポット」「ホットスポット」などとも呼ばれます。

 アイフォーンなどのスマートフォンは、Wi-Fiスポットがなくても屋外でインターネット接続できます。しかし、電波状況が悪いところでは接続することができません。接続できても、回線が途中で切れてしまったり、ウェブページの表示に時間がかかったりします。無線LAN内蔵のノートパソコンやWi-Fi契約のみのタブレットは、自宅や会社の無線LANルータに接続して利用するのが前提のため、外出先ではインターネットに接続できません。そのようなときに利用したいのがWi-Fiスポットです。

 私事ですが先日、外出中に急用が入り、飛行機を予約する必要がありました。ビルの谷間にいたため、アイフォーンがネットにつながらず困っていたところ、近くにファストフード店があり、店内のWi-Fiスポットで快適に予約することができました。その上、同店で昼食をとることもできました。

 Wi-Fiスポットのメリットは、ずばり言うと集客です。「あそこのお店に行けば手持ちの機器でインターネットを快適に使える」「あのチェーン店ではWi-Fiスポットを利用できる」といった口コミが広がれば集客につながります。

 Wi-Fiサービスの提供に向いている業態としては、飲食店、美容室、喫茶店などが挙げられます。ホテルやペンションでも「無線LAN使えます」という表示を見かけるようになりました。小売店ではお客が座って滞在することは少ないので、メリットは小さいかもしれません。ある程度の時間、来店客が座ってサービスを受ける業種に、Wi-Fiスポット開設のメリットがあると言えます。

 また、外国人旅行者へのサービスとしても活用できます。海外の方は日本でのスマートフォンの利用契約がないので、屋外でインターネットを利用できないことが多いはずです。スマートフォンでLTE回線を利用できたとしても、郊外などの電波状況の悪い場所にWi-Fiスポットを開設すれば喜ばれるでしょう。

 導入方法ですが、お店のインターネット回線に市販の無線LANルータを接続し、ゲスト用のチャンネルを開放するという手があります。ただ、不特定多数の人が利用するため、犯罪に利用されるおそれがないとは言いきれません。

 セキュリティーを万全にするには、専門業者が提供しているWi-Fi設置サービスを利用するとよいでしょう。設置基準や費用などにより、多種多様のサービスがあります。検索サイトで「Wi-Fiスポット 設置サービス」といったキーワードで検索すると、ふさわしいサービスがきっと見つかるはずです。

提供:株式会社TKC(2014年2月) 

(注) 当Q&Aの掲載内容は、個別の質問に対する回答であり、株式会社TKCは当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。