時間外労働等改善助成金の詳細は

Q 職場意識改善助成金(時間外労働上限設定コース)が2018年度に拡充されるようですが、予定されている中身を教えてください。(製缶板金業)

<回答者>社会保険労務士 原田政昇

A 長時間労働による過労死や過労自殺の問題が取りざたされ、労働時間や働く人の健康に対する意識が高まっています。今年3月に政府が公表した働き方改革実行計画においても、長時間労働の是正が重要なテーマとして掲げられています。今回予定されている「時間外労働等改善助成金」は、中小企業の長時間労働見直しの支援策として設けられている「職場意識改善助成金(時間外労働上限設定コース)」を大幅に拡充したものです。

 この助成金において重要となるのが三六協定です。三六協定は正式には「時間外労働、休日労働に関する協定届」といい、労働基準法の36条に規定されていることから、一般的にはサブロク協定と呼ばれています。休憩時間を除き1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて労働させたり、休日に労働させるためには、三六協定の締結と労働基準監督署への届け出が必要不可欠です。さらに、延長できる時間には1カ月45時間、1年360時間という上限(限度時間)も定められています。

 しかし特別な事情によりこの上限を超えて、労働時間をさらに延長しなければならない場合もあります。そのようなとき、三六協定に特別条項を付けて締結しなおし、届け出を行い、限度時間を超えて労働させることができます。限度時間を超える一定の時間については上限の規制がないため、事実上際限がなく、長時間労働につながる要因ともなっています。

週休2日制も支援

 この「特別条項付き三六協定」で残業時間の上限を「月80時間・年720時間超」としている中小企業が時間外労働等改善助成金の対象となります。

 時間外労働等改善助成金では、対象の中小企業が「月80時間・年720時間以下」を達成した場合に50万円、さらに「月45時間・年360時間以下」を達成した場合には50万円、一気に「月45時間・年360時間以下」を達成した場合は100万円がそれぞれ支給されます。助成金の用途の対象は、社会保険労務士や中小企業診断士などによるコンサルティング費用、就業規則の作成、変更や労務管理機器の導入にともなう経費等です。

 また、週休2日制の導入支援も設けられています。労働基準法上、週休2日である必要はありませんが、今回新たに週休2日制を導入する場合に助成金額を上乗せする措置が設けられます。1カ月あたりの休日を1日増やすと25万円、4日増やすと最大100万円が支給されます。今回の助成金は、特別条項付き三六協定を締結している中小企業が対象ですが、時間外労働や休日労働のある事業場において、三六協定の締結と労働基準監督署への届け出もれがないか、確認を行うとよいでしょう。

 2022年4月1日以降は中小企業においても、1カ月あたり60時間を超える時間外労働に対して、5割の割増率で計算した割増賃金の支払いが必要となります。今のうちに労働時間を見直し、働きやすい職場環境づくりを進めてみてはいかがでしょうか。なお、この助成金は2018年度予算の施策として、2018年4月以降に実施されます。実施前には厚生労働省のウェブサイトに詳細が公開されると思いますので、確認してみてください。

提供:株式会社TKC(2017年11月)

(注) 当Q&Aの掲載内容は、個別の質問に対する回答であり、株式会社TKCは当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。

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