家賃支援給付金の申請受け付けがスタート

Q 家賃支援給付金の申請の受け付けが7月14日から始まりました。当社も固定費としての家賃の支払いに四苦八苦しています。詳細を教えてください。(飲食業)

<回答者>社会保険労務士 西巻充史

A 家賃支援給付金とは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための休業等の自粛要請に伴い、売上高の急激な減少により事業継続が困難となる事業者を下支えするため、特に経営上の経費負担の大きい地代・家賃の負担軽減を図ることによりテナント等の中小事業者等を支援するものです。

 支給対象者となる事業者は資本金10億円未満(資本金がない場合は常時使用する従業員が2,000人以下)の中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者(医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人等も対象)で、5~12月に①対前年同月比1カ月の売上高が50%以上減少または②連続する3カ月の売上高の合計額が対前年同月比30%以上減少し③自ら事業用に占有する土地建物の賃料を負担(全部転貸している部分を除く)していること、事業収入を2019年12月31日以前から得ており、今後も事業継続する意思があることが要件とされています。

 給付額は、申請時の直近1カ月の支払賃料等に基づいて算出した月額の6倍に相当する額となり、法人に最大600万円、個人事業者に最大300万円が一括支給されます。

 具体的算出方法ですが、法人の場合は1カ月分の給付上限額が100万円で、支払賃料月額75万円までは給付率が3分の2、月額75万円を超える部分は3分の1の給付率で算出され、支払賃料月額225万円で1カ月の上限額100万円に達します。個人事業者の場合は1カ月分の給付上限額が50万円で、支払賃料月額が37.5万円までは給付率が3分の2、月額37.5万円を超える部分は3分の1の給付率で算出され、支払賃料月額が112.5万円で1カ月の上限額50万円の給付となります。

 地方自治体から賃料支援を受けている場合、給付額が減額される可能性はありますが、上記以外にも事業の用に供している駐車場・資材置場等、個人事業者の「自宅」兼「事務所」の事業の用に供する損金計上額、賃貸借契約における賃料と一体的に取り扱われている管理費・共益費も対象となる場合があります。

 申請に必要な書類としては、①賃貸借契約書等②申請時点の直近3カ月分の賃料支払実績を証明する通帳の写し等③本人確認のための運転免許証等④売上高が減少した対象月の売上台帳等となります。

 申請手続きは基本的には家賃支援事務局のホームページにアクセスしてマイページを作成していただき、法人等の基本情報・売上情報・賃貸借契約情報等を申請フォームに従って入力し、必要書類を画像添付する方法によりウェブ上で行います。売上高が減少した月の翌月から2021年1月15日までの間に申請する必要があります。新型コロナウイルス感染症の影響により今後見通しが不透明ななかでの地代・家賃等の固定費は、事業継続していくうえで大きな負担となっています。家賃支援給付金をはじめとする公的支援策を積極的に活用して、ぜひこの厳しい局面を乗り切ってください。

提供:株式会社TKC(2020年8月)

(注) 当Q&Aの掲載内容は、個別の質問に対する回答であり、株式会社TKCは当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。 

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