集客のための“MEO対策”導入法

Q 店舗への集客策として「MEO対策」と呼ばれる手法があると聞きました。導入するにはどのような方法があるのでしょうか。(雑貨小売業)

<回答者>株式会社Media Theater コンサルタント 清水泰裕

A MEO(Map Engine Optimization)とは、グーグルマップ上の検索結果において、上位に表示させることを指します。MEO対策は、集客を図るためのウェブマーケティング策として注目を集めています。具体的には、グーグルマップに掲載する店舗情報を検索アルゴリズムにのっとって最適化することで、上位に表示させる仕組みです。

 MEO対策を導入するには、米グーグルが提供している「グーグルマイビジネス」という無料のサービスに登録し、各種の情報を更新することからはじめます。これだけを聞くと簡単そうですが、店舗数が多くなるほど、管理する手間がかかります。実際に大規模チェーン店では、店舗名と住所程度の情報しか表示されないケースも多々あります。

 たとえば、コロナ禍で重要な情報である、新型コロナウイルス感染症対策の有無をグーグルマイビジネス上できちんと表示している企業は、10%に満たないのが実情です。つまり、MEOによるコンテンツ強化を図ることができれば、大きな差別化につながるでしょう。

効果を高める3つのポイント

 グーグルマイビジネスを使いこなすには、いくつかポイントがあります。

 1つ目は、「投稿機能」の活用です。これは簡易的なブログのようなもので、閲覧者との接点となるプラットフォームといえます。セールや新商品の入荷、季節限定メニューなどの情報を週に1回程度発信することで、来店を促し、評価を高めることができます。コロナ禍においては、店内の感染症対策について発信することも、アピール材料になるでしょう。

 2つ目は、公式サイトの情報を充実させることです。キーワード検索やグーグルマップで店舗情報を閲覧し、興味を持った見込み客は、より詳しい情報を確認するため、公式サイトに移ることが往々にしてあります。そのため、グーグルマップに表示させる情報は、見込み客との接点として位置づけ、商品やサービスの詳細、価格、キャンペーン情報などをしっかり記載する必要があります。

 公式サイトを閲覧した際に、各店舗の基本的な情報が記載されていないと、詳細を確認しようと閲覧した人がストレスを感じて、来店に結びつかない可能性があります。つまり、グーグルマイビジネスの情報のみを整備しても効果は限定的であり、公式サイトに盛り込む情報も充実させるべきです。

 3つ目は、店舗名や商品およびサービスの表記ルールをマップ上においても統一することです。公式サイト上の表記は統一されていても、グーグルマップ上ではそろっていないケースが散見されます。グーグルのシステムは、こうした地道な作業を評価する仕組みになっています。

 ネット上で「MEO」とキーワード検索すると、さまざまなツールが表示されますが、まずは無料のグーグルマイビジネスを活用するのが得策です。個人事業者であれば、グーグルマイビジネスのみで問題なく運用できるはずです。一方、複数の店舗を展開している場合は、外部ツールを利用するか、各店舗の店長が情報を管理するなど、運用ルールを設ける必要があります。

提供:株式会社TKC(2022年2月)

(注) 当Q&Aの掲載内容は、個別の質問に対する回答であり、株式会社TKCは当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。 

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